子供の頃、木を伐ることはいけないことだと教わったという方がたまにいますが、それは手つかずの貴重な自然が残っている原生林での話です。
人が植栽した人工林では、間伐(成長に伴い過密になった立木を間引きする作業)を適切に行わないと、森林の健全性が保たれません。言い換えれば、森林の健全性を保つためには、適切な森林管理を行うことが必要不可欠です。
間伐が適切に行われた森林は、太陽の光が適度に森林の地面までとどき、下層植生が豊かになり、生物多様性保全機能、土砂災害防止機能、水源かん養機能等の森林の公益的機能が高度に発揮されます。
下の2枚の写真を比べてください。左側の写真は、間伐が適切に行われているヒノキ林で、下層植生が繁茂していることがわかります。一方、右側の写真は、間伐が適切に行われず手入れが遅れているため、立木が密になっている状況で、下層植生は見当たりません。
森林調査を行うにあたり、GPSを頼りに森林内に分け入り目的地に到達します。場所によっては、道のない山の中を何時間も歩くことがあります。
目的地に到達したら、標準的な場所にプロットを設定します。そして立木等の計測を行い、樹種、胸高直径、樹高及び立木密度といった森林の基本情報を収集します。
森林の基本情報を整理・分析することで、森林タイプや森林の資源量をはじめ、間伐遅れの指標となる収量比数(Ry)等の詳細な森林の状態を把握することができます。
また、継続的に同じ箇所を調査してモニタリングを行うことで、森林の状態とその変化の動向を把握することもできます。
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